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1999 年度 実績報告書

暴露量の誤差を考慮しない疫学研究結果より算出された安全基準の使用による問題点

研究課題

研究課題/領域番号 09670415
研究機関東邦大学

研究代表者

杉田 稔  東邦大学, 医学部, 教授 (80051845)

研究分担者 大田原 由美  東邦大学, 医学部, 助手 (60287498)
伊津野 孝  東邦大学, 医学部, 助教授 (20213019)
キーワードDose-response relationship / Independent variable / Measurement error / Ecologic study / Confounding variable / Safety level
研究概要

有害事象に対する生体影響・反応が量・反応あるいは量・影響関係として疫学的・実験的研究されている。その種の研究で反応あるいは影響である従属変数には誤差を伴うが量である独立変数には誤差を伴わない統計学モデルによりオッズ比のような両変数の関係の強さを示すパラメターが算出されることが一般的である。しかし、個人を単位とする研究では、独立変数である量に大きな誤差を伴う場合、両者の関係の強さを表現するパラメターの値は0の方へと偏ること(過小評価)が知られている。そこで、量の誤差があまり大きくない状況でその誤差の大きさが既知ならば、その過小評価を修正できることが知られている。また、集団毎に独立・従属両変数の平均値を算出することによる研究、つまりecologic studyを実施することで独立変数の誤差の影響を小さくすることができる。しかし、このecologic studyにおいて交絡因子の対応不十分なことがあると指摘されている。
量を米中カドミウム濃度(Cd-R)から算出されたカドミウム(Cd)摂取量、反応を腎機能障害とする量・反応関係の疫学研究では、非常に大きな誤差を量に伴う。そのために、個人を単位とするその種の疫学研究において、両変数の関係の強さを表現するパラメターが普通の統計学モデルの使用により過小評価に算出されるが、その修正は不可能である。そこで、Cd汚染地区と対照地区のCd-Rから算出されたCd摂取量の平均値と反応との関係をみるecologic studyが実施され得る。しかし、この研究における交絡因子として米以外からのCd摂取量の差異が両地区であることが考慮されていない。つまり、ecologic studyの欠点である交絡因子に対する対応の不十分さが問題として残る。したがって、Cd-Rから算出されたCd摂取量を使用した疫学研究結果をCdの環境安全基準設定に利用することは妥当ではない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 杉田稔: "米中カドミウムと腎機能影響の量・反応関係---米からのカドミウム摂取量はその量として妥当か"環境保健レポート. 65(1). 49-52 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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