研究課題
基盤研究(C)
本研究は、今年度中途(平成9年10月)に追加採択され、研究機関が半年と短かったが、以下の成果が得られた。1)支援システムのプロトタイプ開発:収集した文献等の検討結果により、作業条件のデータから作業上の問題点を数値化して評価するシステムのプロトタイプを作製した。作業条件としては、作業時間、重量物取扱・作業姿勢・休憩時間などの要因を含めた。また、特に腰痛との関係で作業姿勢の相違による腰部負担を厳密に数値化するシステムを開発した。このシステムは、バイオメカニカルモデルを用いて腰部椎間板内圧および脊柱起立筋筋力を推定する。これにより、実際の作業での作業条件での負担計数を容易に指数化できるようになった。体力データの評価に関しては、最近のトータルヘルスプロモーションプランによる体力測定で収集されたデータにより性別と年齢で補正された基準値の推定式が入手できたので、それを利用するようにした。2)業務負担に関する現場調査:福祉施設と某菓子製造メーカにおいて、業務内容の聞き取りおよび観察調査を行った。菓子製造作業の特徴は、製品自体の重量は軽いが、製造数が多い、種類が多い、種類や手順が注文に応じて頻繁に変わるなどといった点であった。作業負担軽減を目的とした作業面の高さ調節、補助具の使用、体操の挿入などが実施されていた。昨今の職場は業務内容が日々変化し、ほぼ同質な負荷が数年間続くという条件が必ずしも適用できず、負担影響評価をより短期間で推定して改善に結びつけるシステムが要求されていることが確認された。
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