研究課題/領域番号 |
09670426
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研究機関 | 中村学園大学短期大学部 |
研究代表者 |
城田 知子 中村学園大学短期大学部, 食物栄養科, 教授 (80069781)
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研究分担者 |
清原 裕 九州大学, 医学部・第二内科, 講師 (80161602)
山口 美紀 中村学園大学短期大学部, 食物栄養科, 副手
内田 和宏 中村学園大学短期大学部, 食物栄養科, 助手 (70301679)
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キーワード | 高齢者 / 久山町研究 / 栄養素等摂取状況 / 加齢効果 / 進的研究 / 食物消費パタン |
研究概要 |
わが国では、高齢化の進展に伴って寝たきりや痴呆の者が急速に増加しており、高齢音の介護問題は大きな社会問題となっている。高齢台が良好な栄養状態を維持し、心身共に健康を保侍するための基礎資料を得ることを目的に、久山町の高齢者を対象に10年間の追跡研究から加齢による変化を検討した。方法は、1988の成人健診を受診した60歳以上の者のうち、1993年と1998年の検診を受け、さらに、食事調査も受けた387(男:16、女:225)名である。これは、1998年の久山町における70歳以上の人口の38.5%にあたる。高齢者の栄養状態を評価するパラメータとしてBMI,ヘモグロビン値、ヘマトクリット値、血清総コレステロール直、血清アルブミン値について検討した。食事調査にむいては、栄養素等摂取状況、食品群別摂取量、栄養比率、さらに食物消費構造の検討を行った。結果:(1)10年間に、身長、体重、BMIの減少がみられた。(2)血液生化学値においては、男女とも、ヘモグロビン、血清鉄、総たんぱく質、血清総コレステロールが減少したのに対し、アルブミンとHDL-コレステロールは増加した。(3)栄養摂取状況において、エネルギー摂取量が減少していたにもかかわらず、栄養素等摂取率は加齢とともに増加し、個々の所要量設定についての検討の必要性が示唆された。(4)摂取エネルギー比率において、糖質エネルギー比が減少し、たんぱく質エネルギー比、脂質エネルギー比が増加した。(5)因子分析の桔果、第1因子に主食、第2因子に副菜と嗜好飲料因子抽出された。1988年から1998年の10年間で第1因子は米からパンの方向へ、第2因子は副菜が少食の方向へシフトした。つまり、高齢者の食車形態は加齢により、主食の米離れ、副菜の少食化がみられ、より簡便に摂取できる食品選択の傾向が認められた。これらの社会的背景についてはさらに検討する必要がある。
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