研究課題/領域番号 |
09670430
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
塩野 寛 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20112451)
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研究分担者 |
福島 亨 旭川医科大学, 医学部, 助手 (30199210)
佐々木 雅弘 旭川医科大学, 医学部, 助手 (80250546)
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キーワード | 性染色体 / マイクロサテライト / アリル分布 / 性犯罪 |
研究概要 |
今回我々は、これまで検索の進んでいなかったY染色体上の種々のマイクロサテライトを検索対象として、以下の検討を加えた。 1) 前年度同様、DYS388、DYS389、DYS392、DYS393では特定の1つのアリルに頻度が偏在し、法医学的応用は難しい事が明らかになった。 2) Y染色体上のSTR群に関しては、前記した実験で決定したアリル頻度を基に性犯罪試料、実際の親子鑑定など、女性由来の影響を受けない男性試料由来のみで判定を試みた。結果はDYS390、DYS389-1、DYS392での判定がヘテロ接合率が高く有効であることが明らかとなった。 3) 広くアジア人種を対象とした報告と、我々のアリル分析の結果とを比較検討したところ、DYS388,DYS392は日本人のアリル頻度は中国人集団、モンゴル人集団、台湾少数民族集団(アミ族)のそれとは大きく異なっており、「日本人の起源、アジア諸国での遺伝子移行」の検索などの人類遺伝学的応用が可能である事が明らかとなった。 4) 親子鑑定への応用 Y染色体上のマイクロサテライトを検索することより、子が男の場合には配偶者のアリルを考慮に入れる必要がなく、父子のY染色体上のSTRのみの検索により4〜20%に該当者を絞り込むことが可能となり、多種類のDNA多型の検索を行うことなしに簡単でかつ、高い父子の肯定確率、父子の否定が可能となった。
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