研究課題/領域番号 |
09670441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
飴野 節子 香川医科大学, 医学部, 助手 (00032904)
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研究分担者 |
飴野 清 香川医科大学, 医学部, 助教授 (50019626)
木村 博子 順天堂大学, 医学部, 講師 (00053299)
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キーワード | Lewis phenotype / Infant / Lewis genotype / Secretor genotype |
研究概要 |
Lewis式血液型は新生児から幼児期にかけて表現型が変化する。この成因を解明するのが目的である。まず、さい帯血、新生児血及び乳幼児血(生後3日-2年)を採取し、Ortho社製およびBiotest社製の2種類のLewis抗血清にてLewis式血液型を判定すると共に、それらの血液からDNAを抽出後PCR-RFLP法にてLewis(Le)genotypeと、Lewis式血液型と密接な関係のあるSecretor(Se)genotypeとを判定し、それらのgenotypeから決定される真のLewis血液型と表現型との関係を検討した。試料として47例のさい帯血、生後3-6日の8例の新生児血及び生後1ヵ月-2年の33例の乳幼児血を用いた。 1.Lewis式血液型の変化:さい帯血47例はすべてLe(a-b-)で、生後3-6日でも8例中7例がLe(a-b-)で、残り1例はLe(a+b-)あった。生後1ヵ月の5例はすべてLe(a+b-)であった。生後2-3ヵ月(4例)ではLe(a+b-)とLe(a+b+)が50%ずつとなり、Le(a+b+)は生後9-12ヵ月まで観察され、その割合は乳幼児の約32%と一番頻度が高かった。Le(a-b+)は生後9ヵ月頃から検出され始め、生後1.5-2年の5例はすべてLe(a-b+)であった。 2.Lewis式血液型とLeおよびSe genotyping:Le genotypeがLe/LeおよびLe/leであればLe(a+b-)かLe(a-b+)で、le/leであればLe(a-b-)となる。更に、Le(+)でSe genotypeがSe/SeあるいはSe/seであればLe(a-b+)、Le(-)でSe(+)あるいはse/seであればLe(a-b-)、また、Le(+)でse/seであればLe(a+b-)となる。これらの結果からphenotypeとgenotypeの一致率を検討した。さい帯血わずか4%(2例)が真のLe(a-b-)であった。また、Le(a+b-)およびLe(a-b+)は生後9-12ヵ月になると、真の血液型を表現することが判明した。また、Le(a+b+)の乳幼児はその後Le(a-b+)に変わる事もこれらのgenotype検査により裏ずけられた。
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