研究課題/領域番号 |
09670441
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
飴野 節子 香川医科大学, 医学部, 助手 (00032904)
|
研究分担者 |
飴野 清 香川医科大学, 医学部, 助教授 (50019626)
木村 博子 順天堂大学, 医学部, 講師 (00053299)
|
キーワード | Lewis Phenotype / Cord blood / Infant blood / Lewis genotype / Secretor genotype / glycoprotein / glycolipid |
研究概要 |
1. 臍帯血、新生児血および成人血中のLe^aおよびLe^b抗原量をそれぞれ比較すると共にLewis表現型、Lewis遺伝子型およびSe遺伝子型との相関を検討した。その結果、臍帯血中にLe(a+b-)の成人とほぼ等しいLe^a抗原量と少量のLe^b抗原がすでに存在し、これは血漿中に存在すると考えられた。また、真の血液型がLe(a-b+)の乳幼児においては、生後5日から血漿中Le^b抗原量が上昇し始め、生後日数を経るほどその抗原量が増え、血球に吸着していくと推測された。臍帯血はすべてLe(a-b-)にかかわらず、血漿中にはかなりの量のLe^aおよびLe^b抗原が検出され、Le^aおよびLe^b抗原ともse/seにおいて有意に高濃度検出された。Le遺伝子については、抗原量との相関はみられなかった。これらの結果からLewis活性はSecretor活性より先に発現するとの推測を裏打ちできる。 2. 抗Le^aおよび抗Le^b抗体はCA-19-9やルイスXと交差反応しなかった。 3. Le抗原の血球への吸着に及ぼす影響を検討するため、臍帯血血漿および成人血血漿中成分をポリアクリルアミドゲル電気泳動にて比較したところ、分子量約24000より小さい蛋白が臍帯血血漿中にのみ存在した。リポタンパクを同様に検討した結果、HDL、LDLとも量的には成人血漿の方が高かった。また、臍帯血血漿にはLDL3成分が検出されるが、成人血血漿はその3成分中、分子量の一番大きい1成分のみが検出された。臍帯血には成人血にない何らかの低分子のタンパクが存在し、これがLe^a抗原の担体となり、血球上の抗原量の違いの原因となるのかも知れない。
|