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1998 年度 実績報告書

Y染色体上のSTR多型による親子鑑定システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 09670446
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

岩佐 峰雄  名古屋市立大学, 医学部, 講師 (00021452)

研究分担者 的場 梁次  大阪大学, 医学部, 教授 (20107056)
キーワードSTR / Y染色体 / 親子鑑定 / 精液検査 / 歯髄
研究概要

前年度に引き続き、DYS389についての研究を行うとともに、Y染色体上のSTRの法医学実務における利用に関して研究を行い、Y染色体上のSTRによる親子鑑定について論究した。
DYS389の日本人集団におけるアリルの頻度は、DYS389Iでは、8:0.018,9:0.161,10:0.268,11:0.527,12:0.027であり、DYS389IIでは、23:0.029,24:0.105,25:0.229,26:0.324,27:0.248,28:0.048,29:0.010,30:0.010であった。Jones(1972)によるDiscrimination powerはDYS389Iでは0.624、DYS389IIでは0.767で、両者のCombined discrimination powerは0.912と算出された。ダイレクトシークエンス法でDYS389アリルの塩基配列を決定しようとすると、途中で判読不可能な個所が複数個所あらわれ、各アリルの塩基配列の全体像を把握することはできなかった。
Y染色体上のSTRの法医学実務における応用として、司法解剖に付された女性屍より得た膣内容からDYS390およびDYS389の検出を試みた。試料とした15例のうち3例でDYS390の増幅が認められ、これらの試料では顕微鏡検査によって精子も確認された。なお、DYS389はいずれの試料でも増幅することができなかった。次に、環境変化の影響を検する目的で、加熱処理した歯牙から得た歯髄よりDNAを抽出し、DYS390およびDYS389の検出を試みた。DYS390は、300℃2分の加熱では6例全例で、400℃2分の加熱では7例中1例で増幅可能であった。DYS389は、I、IIとも300℃2分の加熱では4例中3例で、400℃2分の加熱では4例全例で増幅できなかった。また、海中にほぼ1年間放置され、白骨化した遺体の長官骨骨髄のDNAについてDYS390が増幅可能であった。
Y染色体上のSTRによる親子鑑定では、父親と男子間のみに限定されるものの、そのシステムは極めて単純化される。即ち、男子の型から父親の型は常に1つに決定されるので、母子結合確率と擬父と同じ遺伝子型の真の父の出現頻度は等しいことから、父権肯定確率=1/(1+擬父の型の遺伝子頻度)として計算されることとなる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Iwasa,M.et.al.: "6th Indo Pacific Congress on Legal Medicine and Forensic Sciences" Organizing Committee of the 6th Indo Pacitic Congress on Legal Medicine and Forensic Scienes, 1050 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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