研究課題/領域番号 |
09670454
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
佐藤 啓造 昭和大学, 医学部, 教授 (20162422)
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研究分担者 |
田口 智子 昭和大学, 医学部, 助手 (30266085)
李 暁鵬 昭和大学, 医学部, 助手 (90245829)
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キーワード | HPLC / MS / 高速液体クロマトグラフィー / 高速原子衝撃質量分析法 / 抗生物質 / セフェム系抗生物質 / アミノグリコシド系抗生物質 / 固相抽出 / 薬物ショック死 |
研究概要 |
これまでに24種類のセフェム系抗生物質について、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)/高速原子衝撃(FAB)-質量分析法(MS)により、ポジティブ及びネガティブモードで標品の分析を行った。汎用されるグリセリンをマトリックスとしてポジティブモードで測定したところ、24種類すべての薬剤について治療レベルで分析可能であった。しかし、擬分子イオンがほとんど検出されない薬剤が数種類あった。ジエタノールアミンをマトリックスとして同様に分析したところ、24種類すべての薬剤で擬分子イオン又は擬分子イオンクラスターがベースピークとなるマススペクトルが治療レベルで検出された。ネガティブモードではバックグラウンドピークは、ほとんど検出されなくなったが、一部の薬剤で治療レベルの分析には検出感度が不足していた。 セフェム系抗生物質24種類について、ボンドエルートC_<18>による抽出を試みたところ、60%以上の回収率を示すとともに、干渉ピークの出現しない抽出法が確立された。この際、試料を固相カラムへ注入する前に小型高速冷却遠心機による遠心操作を行うことにより固相カラムの目詰りを防止できた。セフトリアキソン1gを投与された臨床例の血液と、セファゾリン1gを投与後、ショック死を来した剖検例の血液が入手できたので、この方法による抽出後、HPLC/FAB-MS分析を行った。剖検例の血液では、マスクロマトグラム上に顕著な不純ピークが出現したが、薬物由来のピークと完全に分離されており、標品と全く同一のマススペクトルが得られた。セフトリアキソンではジエタノールアミンがより有効であった。両者とも、わずか0.5mlの血清でHPLC/FAB-MS分析が可能であった。以上の成果を本年度中に報告した。現在、8種類のアミノグリコシド系抗生物質について実験中であり、来年度中に論文として発表したい。
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