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1998 年度 研究成果報告書概要

びまん性軸索損傷発生メカニズムの法医病理学検討

研究課題

研究課題/領域番号 09670460
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 法医学
研究機関産業医科大学

研究代表者

田中 宣幸  産業医科大学, 医学部, 教授 (60126597)

研究分担者 田中 敏子  産業医科大学, 医学部, 講師 (80141745)
北 敏郎  産業医科大学, 医学部, 助教授 (00131912)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
キーワードびまん性軸索損傷 / fluid percussion injury / TNFα / ミエリン / βAPP / Glial cell
研究概要

びまん性軸索損傷(DAI)モデルとしてcentral percussion injuryラットを用い、DAIの発生メカニズムを多面的に検討した。
動物用MRIを用いて浮腫の経時的変化を観察したところ、衝撃6時間後までは浮腫は認められず、24時間後から衝撃部位、脳梁部および脳幹部に認められ、48時間後には軽減した。電顕による観察では、15分後に軸索のランビエ絞輪部でミエリンの断裂および軸索内のミトコンドリアの膨化が観察され、衝撃のごく初期から一次性障害が生じることが確認された。二次性の軸索障害は、衝撃1時間後から軸索膜およびミエリンの変性像として認められ、さらに6時間後からミエリンの剥離などの変性像が顕著となり、24時間後まで軸索の膨化が増強した。したがって、衝撃24時間後までは、軸索障害が進行していると考えられる。
次に二次性の軸索障害の発生メカニズムを検討した。アミロイドβタンパク質前駆体の局在の観察結果から、遅くとも衝撃1時間後から軸索における蛋白分解障害が生じていることが明らかとなった。脳室内にHRPを投与し軸索に対するトレーサーの透過性を検討すると、1時間後から神経繊維とくにミエリンにその亢進が認められた。脳梁を含む衝撃部位での脳組織の腫瘍壊死因子(TNF)αの定量では、衝撃1時間後から上昇し始めて3時間後でピークとなり、24時間後では減少傾向であった。電顕を用いTNFαの局在を検討すると、30分以降ミクログリアで、1時間以降では他のグリア系細胞にも局在が認められた。また、ミエリンの構成要素でもあるオリゴデンドログリアでの局在も観察され、TNFαはミエリンの透過性亢進に大きく関与しているものと思われる。以上の結果、二次性の軸索障害の発生に脳梁や脳幹部におけるグリア系細胞からのTNFαの産生が関与している可能性が考えられる。

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公開日: 1999-12-08  

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