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1997 年度 実績報告書

全身性エリテマトーデスにおける可溶性Fas分子種の解析とモデル動物の作製

研究課題

研究課題/領域番号 09670462
研究種目

基盤研究(C)

研究機関北海道大学

研究代表者

小林 清一  北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (30150246)

研究分担者 小池 隆夫  北海道大学, 医学部, 教授 (80146795)
キーワード全身性エリテマトーデス / 可溶性Fas / ヘテロジェネイティ / 融合蛋白 / アポトーシス / 抑制機序
研究概要

全身性エリテマトーデス(SLE)における可溶性Fas(sFas)のヘテロジェネイティとその機能的意義を解析した.
1.SLEの末梢血単核細胞におけるFas遺伝子の発現をRT-PCR法にて解析すると,膜型および膜貫通領域欠損型Fas(sFas△Ex6)以外に,サイズの異なる複数のPCR産物が認められた.それらをクローニングして塩基配列を決定すると,その一つはエクソン3,4,6が選択的スプラインシングにより欠損した遺伝子に由来していたことから,SLEでは少なくとも2種類以上のsFas分子種の存在が示唆された.
2.エクソン3,4,6欠損型可溶性Fas(sFas△Ex3/4/6)が,sFas△Ex6と同様にFas依存性アポトーシスを抑制するかどうかを解析した.sFas△Ex3/4/6はN端側49アミノ酸はエクソン2にコードされるFas分子であるが,C端側21個のアミノ酸はフレームシフトにより非Fasと考えられる.そこで,sFas△Ex3/4/6と同等の機能的分子と考えられるエクソン2からなるFasとヒトIgGのFc部分から構成される融合蛋白(sFasEx2-Ig)発現ベクターを構築した.本発現ベクターを導入されたCOS-7細胞の培養上清から,プロテインAカラムにてsFasEx2-Igを精製した.また,Fas分子の細胞外ドメインとFcとの融合蛋白(sFasExt-Ig)も同様に精製した.
Fas陽性のJurkat細胞とヒトFasL遺伝子のトランスフェクタント(hFasL/L5178Y)との共培養系に精製sFasEx2-IgおよびsFasEx2-Igを加えると,それぞれ88.1,38.2%のアポトーシス抑制が認められた.興味あることに,最初にsFasEx2-IgおよびsFasEX2-IgとJurkat細胞とを反応させ,よく洗浄後にhFasL/L5178Yを加えても,それぞれ45.8,23.8%のアポトーシス抑制が認められた.以上の結果は,sFas△Ex3/4/6もアポトーシス抑制性の機能的分子であり,sFasによるアポトーシス抑制機序には複数存在することが示唆された.

  • 研究成果

    (12件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (12件)

  • [文献書誌] Satoshi Jodo: "Serum leveis of soluble Fas/APO-1 (CD95) and is molecular structure in patients with systemic lupus erythematosus (SLE) and other autoimmune diseases" Clinical and Experimental Immunolgy. 107・1. 89-95 (1997)

  • [文献書誌] Akito Tsutsumi: "Expression of somatostatin receptor subtype 2 mRNA in human lymphoid cells" Cellular Immunolgy. 181・1. 44-49 (1997)

  • [文献書誌] Masaya Mukai: "Characterization and source of soluble Fas in synovial fluids from patients with RA" Arthritis and Rheumatism. 40・9. S293 (1997)

  • [文献書誌] Satoshi Jodo: "Elevated serum levels of soluble Fas/APO-1 (CD95) in patients with hapetocellular carcinoma" Clinical and Experimental Immunology. (印刷中). (1998)

  • [文献書誌] 小林清一: "T細胞トレランスの破綻機序と自己免疫" 日本臨牀. 55・6. 1345-1350 (1997)

  • [文献書誌] 小林清一: "自己免疫とアポトーシス" 日本内科学会雑誌. 86・9. 1588-1592 (1997)

  • [文献書誌] 小林清一: "Fasシステムの異常" リウマチ. 37・2. 183 (1997)

  • [文献書誌] 浄土智: "自己免疫疾患における可溶性Fasの意義" アレルギー. 46・8/9. 785 (1997)

  • [文献書誌] 浄土智: "全身性エリテマトーデス(SLE)における血清可溶性Fasの臨床的意義" 医学のあゆみ. 182・12. 902-903 (1997)

  • [文献書誌] 小林清一: "T細胞活性化とFas/FasL系" 血液・免疫・腫瘍BIC Forum. 24・4. 425-430 (1997)

  • [文献書誌] 小林清一: "アポトーシスと自己免疫" 臨床化学. 26・4. 193-201 (1997)

  • [文献書誌] 小林清一: "病理学キーワード'97" 「病理と臨床」編集委員, 434 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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