研究課題/領域番号 |
09670463
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
飯塚 邦彦 群馬大学, 医学部, 助手 (00272237)
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研究分担者 |
岡山 吉道 群馬大学, 医学部, 助手 (80292605)
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キーワード | 気道平滑筋 / Ca^<2+> sensitization / サイトカイン / 筋小胞体 / IP_3 / cyclic ADP ribose / NAADP |
研究概要 |
ウサギ及びヒト気管支平滑筋の基礎的検討(平成9年度) ウサギ及びヒト気管支筋の情報伝達についてα-toxin透過処理筋を用いて基礎的検討を行った。両組織ともCa^<2+>sensitizationが存在し、持続的収縮を呈することから喘息の気道狭窄における重要性が確認された。ウサギに比べヒト気管支筋はtonicmuscleでcarbacholよりもendothelin-1で安定したCa^<2+>sensitizationが得られた。この収縮はGDPβSで完全に抑制された。しかしリコンビナントサイトカイン(TNFαとIL1-β)によるCa^<2+>sensitizationの増強効果については未だ明確な作用は確認できていない。現在、サイトカインの濃度、作用時間、温度の影響を検討中である。ヒト肺肥満細胞の培養上清保存は平行して進められている。この上清中にはTNFαとIL1-β以外の様々なfactorが混在しており、リコンビナントサイトカインよりも明確な効果が得られる可能性がある。一方、喘息にCa^<2+>拮抗剤が無効な理由として気道平滑筋では筋小胞体(SR)からのCa^<2+>放出が重要なためと説明されてきた。この点を確認せずに進めた場合本計画の重要性が揺らぐこととなる。そこでCa^<2+>sensitizationに平行してCa^<2+>放出についての検討を加えた。その結果気道平滑筋では古典的なIP_3が唯一機能し近年提唱されているcyclic ADP riboseやNAADP(nicotinate adenine dinucleotido phosphate)は関与していないこと、また、SRはcaffeine/ryanodine感受性の単一コンパートメントモデルで説明可能なことが初めて明らかとなった。しかし、いずれもその収縮作用は一過性であった。我々はこの結果をasthma clubに発表するとともに、J Physiol.Londonに投稿した。
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