研究課題/領域番号 |
09670463
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
飯塚 邦彦 群馬大学, 医学部, 助手 (00272237)
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研究分担者 |
土橋 邦生 群馬大学, 医学部, 講師 (00241894)
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キーワード | airway smooth muscle / Rho / Rho kinase / Ca^<2+>sensitization / protein kinase C / Y-27632 |
研究概要 |
ヒト気管支平滑筋をマクロファージあるいは肺肥満細胞の培養上清共存下で組織培養したが、平滑筋のviabilityに問題があり成功しなかった。TNFαトランスジェニックマウスの卵白アルブミン感作モデルも検討したが、Black6をバックグラウンドとしたためか、BALB/c系マウスで認められる抗原点鼻後の喘息発作様の呼吸は認められなかった。そこで気道平滑筋の収縮機構についてウサギ及びモルモットを用いてさらに検討を加えた。Ca^<2+>感受性増強効果が気道平滑筋の収縮維持に必須であることをRho Kinase阻害剤(Y-27632)を用いてヒト気管支及びウサギ気管筋で証明しAm.J.Respir.CellMol.Biol.に発表した。また、Ca^<2+>感受性増強効果の機構としてRho/Rho kinase系とprotein kinase C(PKC)の相対的関係は不明であったが、我々はY-27632とPKC阻害剤GF 109203Xを前処置することにより気道平滑筋ではRho/Rho kinase系が主要経路でPKCは収縮開始時に部分的にのみ関与することを明らかにした。さらにRho kinaseは酵素学的にはミオシン軽鎖をmyosin light chain kinase (MLCK)と同様に燐酸化するが、気道平滑筋組織内ではこの機構は重要ではないことをミオシン軽鎖燐酸化二重調節機構の分離実験で示した。すなわち、ATP freeのrigor溶液中でミオシン脱燐酸化酵素を不可逆的に不活化したのち、ATP惹起性収縮の速度をY-27632またはwortmannin(MLCK阻害剤)存在下、非存在下で比較したところRho kinaseによるミオシン軽鎖の直接作用は否定的であった。以上の成績はBr.J.Pharmacol.に発表した。また、モルモットin vivoにおいてY-27632の吸入投与はacethylcholine吸入や抗原による気道抵抗の上昇を抑制し、その効果は少なくとも3時間以上であることも明らかにした。ただしY-27632弛緩作用はsalbutamolよりも約100倍弱く第一選択の気管支拡張薬としてはこのままでは不十分である(投稿中)。しかしY-27632は種々の炎症細胞や線維芽細胞の遊走を抑えるため、Rho kinase阻害剤の吸入投与は直接の気道拡張作用に加え、喘息や肺線維症でみられる呼吸器remodelingを抑制する可能性がある。
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