研究概要 |
今回私達はIL-5に加えて好酸球に対し活性化作用を持つGM-CSFの産生が抗原刺激後肥満細胞より認められるかどうか、そして産生されたGM-CSF蛋白が好酸球を活性化するかどうかについて検討した。GM-CSF mRNAはIgE依存性の刺激前に認められ、IgE依存性の刺激2時間後その発現量を増加し、24時間後には減弱した。GM-CSFはIgE依存性の刺激4時間後にその細胞上清中にて始めてELISAの感度以上となり24時間後まで増加を認めた。培地単独、SCF単独、抗IgE抗体単独、SCFと抗IgE抗体共存で刺激24時間後にはそれぞれ73(<15〜183),88(<15〜237),202(<15〜681)および356(152〜1216)pg/10^6肥満細胞(median with range)の遊離を認めた。免疫細胞化学二重染色法を用いて肥満細胞がGM-CSF蛋白を産生することをまたin situハイブリダイゼーション法を用いて肥満細胞がGM-CSF mRNAの発現細胞であることを確認した。SCFと抗IgE抗体で刺激後24時間培養した肥満細胞上清は好酸球からEosinophil Cationic Protein(ECP)を有意に遊離させ、これはGM-CSFの阻止抗体で有意に抑制された。 IL-5,GM-CSFはIgE依存性の刺激4〜8時間以降に遊離されることより、遅発型アレルギー反応への関与が示唆された。SCFと抗IgE抗体で刺激後24時間培養した肥満細胞上清は好酸球からECPを有意に遊離させることより、肥満細胞と好酸球の細胞相互作用が示唆された。
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