我々は、好酸球性細胞株EOL-1は無処置では、TNF添加によりTNFRI(p55)を経由してアポトーシスが誘導されること、IFN-γの処置によりTNFRII(p75)の発現が上昇し、その結果TNF刺激がTNFRIIを介して、細胞内にはいりアポトーシスが誘導されないことを、Exp.Hematol(Horie et al. 1999)に発表した。昨年度から本年度にかけ、IFN-γ処置EOL-1おいてTNFRII(p75)を介したシグナルがNF-kappaBを活性化していることを見いだした。さらに今後もこのNF-kappaBの活性化の程度がIFN-γ処置によりどのように変化していくか、またその作用機序が何か検討していく予定である。また、本研究のために採取した、人末梢血好酸球やEOL-1細胞を使用し、Rho kinase 阻害剤の作用を検討したところ、細胞内へのカルシウム流入や活性酸素の発生には影響を与えないが、好酸球の遊走が特異的に抑制されることをも見いだし、好酸球におけるRho-ROCK系の細胞遊走に対する役割についても検討でき、日本呼吸器病学会雑誌に報告した。
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