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1997 年度 実績報告書

C型肝炎ウイルスの多様性獲得機序と宿主免疫機構の関連についての基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670479
研究種目

基盤研究(C)

研究機関九州大学

研究代表者

柏木 征三郎  九州大学, 医学部, 教授 (70038826)

研究分担者 山本 哲郎  九州大学, 医学部, 医員
キーワードhepatitis C virus / gene / hypervariable region / core region / NS5A region / immune complex
研究概要

1)HCV遺伝子の多様性にについての検討
HCVの持続感染者(キャリア)の血清より、ウイルスRNAの抽出、cDNAの合成を行ない、HCV遺伝子の各領域のプライマーを用いてPCR法によりHCV遺伝子の増幅を行なった。増幅されたHCV遺伝子のクローニングを行い、これらの塩基配列を決定した。
同時に決定されたHCVの領域ごとの塩基配列の変異の頻度を求めた。個体間での相同性は、core領域及びNS5A領域では90%を越えてていたが、HVRでは塩基配列の相同性は著しく低かった。個体内の塩基配列の多様性は、core領域及びNS5A領域では非常に乏しく、すべての塩基配列が全く同一であった例も多く認められた。一方、HVRでは、すべての塩基配列が全く同一であった例もわずかに見られたが、多数で著しい多様性が見られた。領域ごとのアミノ酸の変異にならない塩基の変異の頻度は、core領域及びNS5A領域で非常に高く、塩基配列保存への選択的な圧力がかかっていると思われた。一方、HVRでは、領域ごとのアミノ酸の変異にならない塩基の変異の頻度は、無作為に起こった場合とほぼ同等で、塩基配列保存への選択的な圧力は、存在しないと考えられ、アミノ酸の変異への選択的な圧力の存在も示唆されなかった。
2)Immune Complex中のHCVのHVRについての検討
HCVは血液中で宿主の産生する抗体と結合し、Immune Complexを形成している。その比重の違いにより、Equilibrium CentrifugationによってImmune Complex形成HCVとfree HCVの分画を行なった。HVRの塩基配列を各分画ごとに決定し、両者を比較した。Immune Complex形成HCVとfree HCVのHVRの構成は,異なっていたが、Immune Complex形成HCVとfree HCVの両者に同一のHVRが認められる例が存在した。経時的な検討では、まだ症例が少なく、一定傾向を見いだすには、更に症例を重ねる事が重要であると思われた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Furusyo Norihiro: "Human lymphoblastoid interferon treatment for patients with Hepatitis C virus-related cirrhosis" Clinical Therapeutics. 19:6. 1352-1367 (1997)

  • [文献書誌] Ohmiya Misako: "Large dose natural interferon alpha therapy for patients with chronic hepatitis C" Fukuoka Acta Medica. 88:12. 380-388 (1997)

  • [文献書誌] Kawakami Yasunobu: "Elevation of serum soluble interleukin-2 receptor levels in patients with hepatitis C virus infection" Fukuoka Acta Medica. 88:7. 274-282 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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