研究概要 |
C型慢性肝疾患でのHGV感染は全体で22例、8.9%で、慢性非活動性肝炎7.7%、慢性活動性肝炎10.6%、肝硬変7,7%、肝癌8.2%で病型による差はみられなかった。HGV感染例の輸血歴は45.5%であった。HCVに対するIFNの有効性にHGVの重複感染は関連なく、IFNが有効であったC型慢性肝炎患者4例中2例にIFNによるHGVRNAの持続陰性化と肝機能の正常化がみられたが、無効であった10例中2例では持続陰性化がみられたが、肝機能の正常化はみられなかった。(Dig Dis Sci 44(3),1999)透析患者でのHGV感染は全体で34例、6.9%で透析期間が10年以上では12.6%と9年以下の44%に比例して有意に高率であった(pく0.01)。HGV感染例の輸血例の輸血歴は64.7%であったが、透析経過中に輸血歴もなくHGVに感染し、キャリア化した例もみられた。また、透析患者における肝機能異常例はHGV単独感染13例にはなく、HCV重複感染21例中19.0%であった。(Dig Dis Sci 43(9,1998)CSWにおけるHGV感染は全体で12例、12.5%で、就業年数が5年以上では24.3%と4年以下の3.6%に比較し有意に高率であった(p<0.01)。年齢やHCV、HBVおよび梅毒などの感染とは関連がなかった。(Dig Dis Sci 44(10),1999)また、HGV感染はHCVほどではないが、HBVに比較して持続感染に移行しやすかった(DigDis Sci印刷中) HGVはHCVとの重複感染もみられ、HCVと類似した感染様式が考えられたが、肝障害との関連は否定的であった。また、HGVはIFNによる排除も可能であるが、その感受性はHCVとは異なっていることが考えられた。
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