血管炎の成因として血中免疫複合体、抗血管内皮細胞抗体、抗好中球細胞質抗体、抗リン脂質抗体などが考えられている。そこで、膠原病にみられる血管炎と原発性血管炎との成因の違いを知るために、これらの因子の出現頻度を見てみると、膠原病血管炎では血中免疫複合体、抗血管内皮細胞抗体、低補体価の頻度が原発性血管炎における頻度より有意に高く、一方、原発性血管炎では抗好中球細胞質(とくにMPO)抗体の頻度が膠原病血管炎での頻度より有意に高いことが認められた。 これらの結果から、膠原病血管炎には主として免疫複合体による血管内皮細胞障害が関与し、原発性血管炎では好中球とその成分に対する自己抗体が関与することが推測された。
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