研究課題/領域番号 |
09670487
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 忍 横浜市立大学, 医学部・附属病院, 講師 (80244424)
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研究分担者 |
関原 久彦 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80126094)
大西 秀樹 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30275028)
斎藤 達也 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90205659)
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キーワード | ミトコンドリア病 / 膵外分泌 / 遺伝子治療 / ミトコンドリアDNA異常 |
研究概要 |
ミトコンドリア病はミトコンドリアDNA(mtDNA)異常に基づく遺伝性疾患で、生体の主要なエネルギー産生系が障害された全身の機能異常mitochondrialcytopathyを呈する。しかしながら、その根冶療法、発症前療法は現時点ではなく、悲惨な経過をとる患者への対策は医学にとって重要な課題である。本疾患は全身臓器障害であるが、まず我々は本症における膵外分泌機能について検討した。ミトコンドリア病の3家系についてbentiromide testを施行し、また1家系のnecropcyより得た標本から膵外分泌細胞の電子顕微鏡像について報告した(J Med Genetics,in press)。 benzoyl-tyrosyl-p-aminobenzoic acid(PABA)を用いたbentiromide testにおいて正常者81.9±8.5%、糖尿病患者77±12.6%に対し、ミトコンドリア遺伝子異常者では19から68%と低下していた。しかしながら、mutantmtDNAの異常率と尿PABA回収率との間には相関関係は認められなかった。necropcyの症例は下痢等の膵外分泌障害の臨床症状を認めた症例であったが、その電子顕微鏡所見は粗面小胞体と分泌顆粒の喪失と空胞変性しミトコンドリアの所見を呈していた。現在、さらに本症の表現型の解析に関し、胃酸分泌機能、腸管運動機能など消化器機能の研究と女性の流産の頻度の疫学的研究の検討をすすめている。また、全ミトコンドリアtRNA mutationのスクリーニングを解析中である。動物実験モデルの確立に関してもミトコンドリアDNA異常培養細胞のstable cloneの樹立を行っている。
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