研究概要 |
前年度より継続し、SENIEUR protocol(Mech Ageing Dev,28,47,1984)に合致した正常高齢者の末梢血を得て、ナチュラルキラー(NK)細胞活性を中心にした免疫学的検索を行った。過去3年間で計152人の正常高齢者(年齢63歳-99歳)について、この検索を行った。次に、これら高齢者の医療記録より、感染症の発生、死亡の有無と死因について調査を行った。以上の検索より以下の結果が得られた。 (1)リンパ球サブセット(CD3,CD4,CD8,CD25,CD3-CD56+,CD36+HLA・DR+など)、NK細胞活性、リンパ球数などの免疫学的パラメーターは年齢と関連しなかった。 (2)感染症の発生や感染症による死亡に関連する免疫学的パラメーターは、NK細胞活性のみであった。すなわちNK細胞活性の低い高齢者では感染症を発症しやすく、また感染症による死亡を来しやすかった。 以上の結果は、近々論文発表する予定である。
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