研究概要 |
1.ヒト慢性関節リウマチ(RA)検体を用いた検討から、関節局所に集積しているT細胞はそのほとんどがケモカイン受容体であるCCR5陽性Th1細胞であり、それに対し末梢血のそれは減少していた。関節液中にはCCR5リガンドであるMIP1α,RANTESが高濃度に存在していた。このことから、関節局所にて産生されたMIP1α,RANTESがCCR5陽性Th1細胞を選択的に遊走させることを見い出し、関節特異的なT細胞浸潤機構の一端を明かにした。 2.マウスCD70遺伝子のクローニングに成功し、モノクローナル抗体を作成し、それを用いた検討からCD70/CD27co-stimulationの制御によりTh1介在性自己免疫疾患である多発性硬化症(MS)モデルを著明に抑制することを見い出した。さらに同時にマウスOX40Lも同様にクローニング・モノクローナル抗体を作成し、OX40L/OX40の制御はRA,MSだけでなく抗体媒介性自己免疫疾患であるSLEモデルにおいても有為な疾患抑制効果があることを見い出した。 3.CD40Lの異常発現が自己免疫疾患の原因になりうることを見い出し、さらにはこのことを利用してIL-12産生とB7の誘導による抗腫瘍免疫を誘導することが可能であることを明かにした。 4.Fas/FasLによるアポトーシスがシェーグレン症候群の唾液線破壊に関与しており、自己免疫疾患の臓器障害にFas/FasLが重要な役割をしていることが明かになった。。
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