膵臓組織血流および実験的急性膵炎に対する脳内のthyrotropin-releasing hormone(TRH)の影響をWistar系雄性ラットを用いて検討した。 その結果、 1)TRHアナログ(30ng)の脳槽内への投与により30分後より有意な血流の増加が認められ、90分後には元の状態に復した。 2)上記のTRHアナログ脳槽内投与による水素式血流増加作用はTRHアナログ3〜10ngの範囲で用量依存性であった。 上記のTRHアナログ脳槽内投与による水素式血流増加作用はアトロピンL-NAME前投与および迷走神経切断によって消失したが6-OHDAは影響を及ぼさなかった。 4)セルレイン誘発膵炎においてTRHアナログを脳槽内に投与すると30〜50ngの範囲で用量依存性にせるれいん投与後の膵組織の浮腫を抑制した。 5)TRHアナログの膵血流増加作用における脳内の作用部位は、マイクロインジェクション法にて検討した結果、両側の迷走神経運動核であった。
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