1.Mycobacterium paratuberculosisとクローン病 リンパ濾胞、パイエル板、腸粘膜よりDNAを抽出し、Dolymerase chain reaction (PCR)によりM.paratuberculosisの検出を試みた。クローン病(30例)、潰瘍性大腸炎(14例)いずれでもM.paratuberculosisは検出されず、クローン病でのM.paratuberculosis病因論を否定する結果であった。 2.Listeria monocytogenesとクローン病 リンパ濾泡、パイエル板、腸粘膜よりDNAを抽出し、PCRによりL.monocytogenesの検出を試みた。クローン病(31例)、潰瘍性大腸炎(20例)、non‐IBD(inflammatory bowel disease)(21例)を検討したが、陽性例は潰瘍性大腸炎1例のみであった。クローン病でのL.monocytogenes病因論を否定する結果であった。 3.ヒト腸管リンパ濾胞における細菌16S ribosomal RNA(rRNA) ヒト腸管リンパ濾胞よりmicrodissectionにより濾胞組織を採取し、DNAを抽出、細菌16S rRNA 保存領域より作製したプライマーでPCRを行った。その後400‐bp bandよりcloneを得、塩基配列を決定しhomology searchをおこなった。その結果、ヒトリンパ濾胞には多種類の細菌の存在が証明された。クローン病では、他疾患に比し細菌16S rRNA の検出率が高いように思われた(3/3 vs 1/5)(投稿中)。
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