研究課題/領域番号 |
09670512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾形 逸郎 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80169169)
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研究分担者 |
柳瀬 幹雄 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
富谷 智明 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90227637)
池田 均 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (80202422)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 細胞外マトリックス / Rho-Kinase / 硬変肝 / リン酸化 / 肝星細胞 / Rho |
研究概要 |
硬変肝では、細胞外マトリックス含量の著増と共にその組成は変化し、肝小葉構造の改築がみられる。その成立に際して、肝星細胞は筋線維芽細胞様に形質を変化して大量の細胞外マトリックスを産生するとともに、その収縮能により創傷収縮をもたらす形で関与している。我々は線維肝における細胞外マトリックスの変化並びにそれに起因した細胞機能発現不全の成立機序を解明すべく、細胞-細胞外マトリックス相互作用に関わると想定される新種のセリン・スレオニンプロテインキナーゼを肝星細胞よりクローニングしたが、それは細胞接着・収縮等、細胞運動において重要な役割を果たすとして近年注目されている低分子量G蛋白質Rhoの標的蛋白質Rho-kinase(以下RK)であった。本研究では主に、肝星細胞における低分子量G蛋白質Rho及びRKの細胞-細胞外マトリックス相互作用に関わる機能の解析を行った。 抗RK抗体を作製し、星細胞においてRK蛋白の発現及びその自己リン酸化を免疫沈降を用いたウエスタンブロット法にて確認した。更に、培養による星細胞活性化経過でのRK蛋白発現及び自己リン酸化の亢進、またRhoを活性化するlysophosphatidic acid添加によるRK蛋白の自己リン酸化亢進を証明した。一方、Rhoを特異的に不活化するボツリヌス菌菌体外酵素C3(以下C3)前処置により星細胞収縮が抑制されることを示し、C3処理の際の細胞骨格構成蛋白α平滑筋アクチンの動態を検討することにより、星細胞収縮におけるRhoの関与を明らかにした。また、細胞外マトリックスへの星細胞接着に際してRho及びRKを含む細胞内接着斑関与物質の集簇が形成され、C3前処置により集簇形成が抑制されることを蛍光組織染色にて観察した。これらのことより、細胞外マトリックスからの情報の細胞内シグナル伝達にRho及びRho-kinaseが関与すると推定された。
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