研究課題/領域番号 |
09670513
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川邊 隆夫 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40195136)
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研究分担者 |
大橋 誠 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
金井 文彦 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
白鳥 康史 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (70196624)
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キーワード | 膵癌 / レチノイドレセプター / 遺伝子導入 / テロメラーゼ活性 |
研究概要 |
平成9年度は全トランスレチノイン酸(ATRA)および9-シスレチノイン酸(9-sisRA)が膵癌細胞株のテロメアーゼ活性におよぼす影響について調べた。平成10年度は、アデノウイルスペクターを用いた膵癌細胞株へのRAR(Retinoic Acid Recepter)およびRXR(Retinoid X Recepter)遺伝子の導入、およびそれに基づく遺伝子治療を試みた。まず、RARおよびRXR遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターの作製し、膵癌細胞株(AsPC-1、BxPC3、KP-1N、MIAPaCa-2、PANCl、Su.86)トランスフェクトした。これら細胞株のrecepter発現について、免疫組織染色、ウェスタンプロット法により検討したが、現在のところそれ程強い過剰発現はみられていない。また、このトランスフェクト細胞株において、ATRAおよび9-sisRAのテロメアーゼにおよぼす影響についても検討したが、テロメアーゼ活性を抑制する作用は認められなかった。白血病細胞株HL-60に対しては、我々の実験系でもテロメアーゼの抑制が認められるので、assay系には問題はないと考えられた。これはアデノウイルスベクターのトランスフェクトにより十分なレチノイドレセプターの過剰発現が得られていないためである可能性が高く、現在効率良くRARおよびRXRを膵癌細胞株に発言させるためにトランスフェクトの条件を検討中である。
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