研究課題/領域番号 |
09670528
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
赤羽 賢浩 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60092855)
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研究分担者 |
坂本 穣 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60324191)
岡田 俊一 山梨医科大学, 医学部, 講師 (20283202)
宮崎 吉規 山梨医科大学, 医学部, 講師 (80166157)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | HGV / GBV-C / 非A〜E型肝炎 / B型急性肝炎 / C型慢性肝炎 / インターフェロン / 肝細胞癌 |
研究概要 |
1)原因不明の肝疾患におけるHGV/GBV-Cの関与 非A〜E型急性肝炎16例、非B非C型慢性肝疾患37例につきHGV/GBV-C RNAの検出を試みた。その結果非B非C型の慢性肝炎の1例(48才、女性、chronic lobular hepatitis)のみがHGV/GBV-C陽性であり、原因不明の肝疾患における本ウイルスの関与は限定的なものであると考えられた。 2)A型,B型急性肝炎におけるHGV/GBV-Cの重感染 A型肝炎49例、B型急性肝炎44例につきHGV/GBV-Cの有無を検討した。その結果B型急性肝炎の3例(7%)のみがHGV/GBV-C陽性であった。重感染例3例は性的接触でHBVに感染し、HBs抗原の持続が、陰性例に比し長時間であった。HGV/GBV-Cは性的接触でHBVと重感染する可能性があり、重感染すればHBVの持続がより長くなる可能性が示唆されたが、B型肝炎の劇症化、遷延化への関与は少ないと考えられた。 3)C型慢性肝炎へのHGV/GBV-Cの重感染と、インターフェロン(IFN)治療 C型慢性肝炎195例中23例(12%)にHGV/GBV-C RNAを検出した。重感染例23例はC型肝炎単独例172例に比し、男性の占める比率が有意に高かったが、その他の臨床背景、肝機能検査成績、肝組織像、HCV遺伝子型、HCV量は両群間に差異を認めず、HGV/GBV-Cの重感染はC型慢性肝炎の病態に影響しないと考えられた。またHGV/GBV-Cの存在は、HCVに対するIFN効果にも影響しなかった。更に、HGV/GBV-Cは、HCVとは独立して、IFNに感受性を有していたが、HCVに比し、より抵抗性であると考えられた。 4)肝細胞癌におけるHGV/GBV-Cの関与 肝細胞癌185例中23例(12%)にHGV/GBV-Cが検出されたが、HGV/GBV-C陽性例と陰性例の間に臨床像の差異を認めなかった。中国の肝細胞癌についても124例中33例(27%)にHGV/GBV-Cを検出したが、やはり陽性例と陰性例の間に差異はなく、肝発癌に関するHGV/GBV-Cの関与は少ないものと考えられた。
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