研究課題/領域番号 |
09670536
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
成瀬 達 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50180550)
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研究分担者 |
村上 正隆 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10104275)
瀬尾 芳輝 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90179317)
北川 元二 名古屋大学, 医学部, 助手 (80262898)
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キーワード | 高速MRI / MRマイクロスコピー / Snapshot法 / 実験膵炎 / 嚢胞 / 3次元画像 / 非侵襲的計測 / 消化機能と病態 |
研究概要 |
生体内の微小構造を核磁気共鳴(MR)マイクロスコピー法により非侵襲的に解析するため、平成9-10年度までに開発した高速撮像法を用い、ラット正常膵ならびにその炎症(膵炎)の進展および修復過程を3次元的に1カ月にわたりに観察した。MRイメージングにはBruker社製Biospec47/40(静磁場4.7/T,磁石内口径40mm)および内径70mmの能動遮蔽型勾配地場コイル用いた。ウイスター系雄性膵炎ラット(180g)を用い、トリプシン・タウロコール酸を膵管内に注入し、出血性壊死性膵炎を作成した。その後、エンフルエン麻酔自発呼吸下に横断、矢状、冠状断像をSnapshot法(field of view 10cm、matrix256×256、slice thickness 3mm、TR6.8msec、TE3.5msec)にて撮像し、膵炎発症直後の膵の浮腫性変化と腹水が観察できた。更に、その後5-7日間隔で1カ月間にわたり撮像し、矢状断および冠状断像より膵および嚢胞の2つの立体画像を構築した。両画像は極めて良く一致しており、膵炎の進展ならびに修復過程の一ケ月間にわたる空間的変化を観察できた。肝門部に発生した嚢胞の3次元的進展過程、容量の変化および膵との空間的関係を明瞭に描出できた。これらのMR画像は実験終了後の病理所見および嚢胞容量の実測値と良く一致していた。高速撮像法とMRマイクロスコピー法により生体内の微小構造の3次元構造の長期変化の非侵襲的観察が可能である。
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