研究課題/領域番号 |
09670536
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
成瀬 達 名古屋大学, 医学部, 助教授 (50180550)
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研究分担者 |
村上 政隆 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (10104275)
瀬尾 芳輝 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90179317)
北川 元二 名古屋大学, 医学部, 助手 (80262898)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 高速MRI法 / MRビデオ法 / MRマイクロスコピー / Snapshot法 / リアルタイムMRI / 食道運動 / 胃運動 / 膵炎 |
研究概要 |
核磁気共鳴画像法(MRイメージング)により消化管の構造と機能を非侵襲的に計測するために、高速MR法、MRビデオ法、MRマイクロスコピー法の開発研究を行った。MR装置にはBrunker社製Biospec47/40(静磁場4.7T,磁石内口径40mm)を用いた。 1 消化管で最も速い食道運動の高速MRイメージングにはSnapshot法を用いた。無麻酔状態の家兎を用い、食道内に挿入したバルーンカテーテルの動きを秒速3枚の速度で20秒間、矢状面撮像した。家兎の全食道が鮮明に描出され、8.3cm/sの速度で蠕動波により移動する直径3cmのバルーンを捉えることができた。更に、食道内圧とMRイメージの同時記録によりMRにより捉えられた食道の蠕動波と内圧の変化が一致することが確認できた。 2 長時間記録が必要な胃運動の記録には、撮像毎に画像再構成してビデオテープに記録するリアルタイムMRイメージ再構築システムを用いた。ペントバルビタール麻酔下に、ビーグル犬の胃内にクエン酸アンモニウム鉄溶液を胃内に注入し、1画像0.45secの速度で20分間、連続撮像した。胃の収縮輪が1分間に約1回の割合で胃体部で発生し、これが幽門部へ移動してゆく過程を観察でき、本法による長時間リアルタイムMRIが可能となった。 3 高速撮像法とMRマイクロスコピー法により生体内の微小構造の3次元構造の長期変化の観察を試みた。トリプシン・タウロコール酸膵炎を作成したラットにおいてSnapshot法により水平、矢状、冠状断像を経時的に撮像し膵の3次元画像を構築した。膵炎の進展ならびに修復過程を3次元的に一ヶ月間観察でき、病理像はMR像と良く一致していた。 本研究により高速MRイメージングによる消化機能と病態の非侵襲性測定が可能となり、将来の臨床研究に展望が得られた。
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