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1997 年度 実績報告書

補体活性化制御蛋白発現調節機構の異常による腸管粘膜傷害の発症機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670541
研究種目

基盤研究(C)

研究機関滋賀医科大学

研究代表者

安藤 朗  滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90252395)

キーワードDAF / Complement / Cytokine
研究概要

本年度は、補体活性化制御因子decay-accelerating factor(DAF)の腸管上皮細胞における発現の制御機構の基礎的検討を実施した。即ち、DAFの発現は、DAFのペプチド部位の発現とGPIアンカー部位の発現により規定されているが、これらの蛋白(DAF、GPIアンカー律速酵素 PIG-A)発現のサイトカイン制御について検討したところ、次のことが明かとなった。腸管上皮細胞CaCo-2やHT-29において、IL-4やTNF-αがDAFの発現を強く誘導したが、IL-4はDFAペプチドの発現は誘導するがPIG-Aの発現には影響をあたえない。しかしTNF-αはDAFペプチドおよびPIG-αの両者の発現を遺伝子レベルで強く誘導した。この結果は、GPIアンカー蛋白の発現制御機構の複雑性を示す初めての知見であり興味深い。おそらく、潰瘍性大腸炎病変粘膜において、DAFの発現は複雑の分子レベルの制御を受けているのと考えられる。今回得られた知見をもとに、本年度(平成10年度)に計画している臨床材料を用いた検討にすすみたい。
一方、DAF遺伝子欠損マウス(KO マウス)の作成を試みている。現在までにおDAF遺伝子の片方に変異を導入したES細胞を樹立し研究中である。ただ、基礎的検討の段階であるが、DAF遺伝子のKOは、致死的となる可能性があり、この点のさらなる検討が必要と考えられる。
GPIアンカー合成酵素PIG-Aに対するポリクローナル抗体の作成に成功しており、平成10年度では、蛋白レベルの解析がさらに可能となるものと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Akira Andoh: "Molecular Characterization of Complement Components (C3,C4,and Factor B) in Human Saliva." Journal of Clinical Immunology. 17(5). 404-407 (1997)

  • [文献書誌] Akira Andoh: "Detection of Complement C3 and Factor B Gene Expression in Normal Colorectal Mucosa,Adenomas and Carcinomas." Clinical and Experimental Immunology. 111(3). 477-483 (1998)

  • [文献書誌] Akira Andoh: "Tumor Necrosis Factor-α and Interleukin-4 induces decy-acceleniting Factor Gene Expression in Intestinal Epithe Lial Cells by ・・・・." Mucosal Solutions,Advances in Mucosal Immunology,. Vol.1. 75-83 (1998)

  • [文献書誌] Toshio Kimura: "A blockade of complenent activation prevents rapld intestinal lschemia-qperfnsion injury by modulating ・・・・." Clinical and Experimental Immunology. 111(3). 484-490 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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