研究課題/領域番号 |
09670544
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田村 信司 大阪大学, 医学部, 助手 (30243223)
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研究分担者 |
木曽 真一 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
福田 和人 大阪大学, 医学部・附属病院, 医員
乾 由明 大阪大学, 医学部, 助手 (00294067)
松田 幸彦 大阪大学, 医学部, 助手 (90283770)
河田 純男 大阪大学, 医学部, 助教授 (90183285)
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キーワード | HB-EGF / 肝産生 / 肝細胞 / 増殖因子 / in vivo / マウス |
研究概要 |
HB-EGFが初代培養肝細胞に対し強力な増殖促進作用和有し、部分肝切除後の残存肝において他の増殖因子と異なりDNA合成に先立ち発現することから、肝再生早期に重要な役割を果たしていることを報告してきた。本研究ではin vivoでの肝再生におけるHB-EGFの役割を明らかにするとともに、HB-EGF補充の肝再生能に及ぼす促進作用を検討する。今回、マウスにリコンビナントHB-EGF(rHB-EGF)2mgを2時間おきに4回静脈投与し、肝細胞の増殖能におよぼす効果についてBrdUのラベリングインデックスにて検討した。また、NF-kBおよびSTAT-3の活性化をゲルシフトアッセイにて検討するとともに、他の増殖因子遺伝子発現に及ぼす影響も検討した。HB-EGFの投与により、ラベリングインデックスは無処置群の約300倍以上に上昇した。また、HB-EGFの投与により肝におけるNF-kBおよびSTAT-3の活性化が起こることが明らかになった。さらに培養細胞系で示してきたHB-EGFによるHGF遺伝子発現誘導がin vivoでも起こることが示された。 今回の検討によりマウスに対するHB-EGFの静脈内投与で正常肝において肝細胞の増殖が促進されることが明らかになった。また、HB-EGFのシグナルであるNF-kBおよびSTAT-3の活性化が惹起されることが示された。このことはHB-EGFが肝再生促進療法に応用し得ることを示していると考えられる。現在、傷害肝モデルにおける、HB-EGFの効果について検討中である。
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