ヒトPBC及びPBC類似肝病変を有する老齢マウスの胆管病変部位にリンパ性樹状細胞が存在し、最も強くMHCclassIIを発現していることを証明した。初年度はリンパ性樹状細胞を末梢血から分離し、混合培養にてリンパ球幼惹化反応がどの程度起こるか否かについて健常者及びPBC患者で検討した。 (対象と方法) PBC患者及び健常者の末梢血より2種類の方法でリンパ性樹状細胞(LDC)を分離した。Ficoll-Conray比重遠心法ののち、1)negative selection法と2)GM-CSFとIL-4を添加した培養(サイトカイン添加培養法)を行った。混合培養のためのT細胞はロゼット法とT細胞recovery kitで採取した。 (成績) リンパ性樹状細胞はnegative selection法、サイトカイン添加培養法のいずれでも、80%以上の純度で末梢血より分離することができた。リンパ性樹状細胞であることは、樹状突起をもつその特異的な形態を光学顕微鏡で観察し、さらにフローサイトメトリーによるMHCclassII、CD80、CD86の発現により確認した。分離したリンパ性樹状細胞をT細胞と混合培養すると、PBC患者では健常者と比較して有意に幼惹化反応が低下することが判明した。 (結論) PBC患者のリンパ性樹状細胞ではリンパ球の幼惹化の誘導が起こりにくかった。現在、その原因について検討中である。 尚、その他の実験については進行中である。
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