研究課題/領域番号 |
09670556
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大津留 晶 長崎大学, 医学部, 助手 (00233198)
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研究分担者 |
松山 俊文 長崎大学, 医学部, 教授 (30165922)
中尾 一彦 長崎大学, 医学部, 助手 (00264218)
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
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キーワード | PTHrP / PTHrP受容体 / 肝再生 / 肝硬変 / 肝細胞癌 / 癌化 / 血管新生 |
研究概要 |
遺伝子組換え技術を用い、発現ベクターであるpcDNA3に、アルブミンプロモーターとPTHrP cDNAを組み込み、BDF1マウス(♀)をホルモン(PMS、hCG)により排卵誘発し、BDF1マウス(♂)と交配させ、受精卵を取り出し、マイクロマニュピレーターにより、上記の精製遺伝子を顕微注入した。in vitro培養後、生存卵を偽妊娠させたBDF1マウス(♀)に移植し出産させた。現在遺伝子導入マウスの確認を行なっている。 我々はまた副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)が、発生や再生時に、パラクライン・オートクライン的に作用し、その過剰発現は様々な組織において、癌化・線維化等とも相関を示すことを病理的に示してきたが(J Patol 182:174,J Gastroenterol 32:396)、慢性的なサイトカイン異常刺激によって肝硬変・肝癌の発生も誘導される可能性が、TGFαやHGFのトランスジェニックマウスの研究(これらはPTHrPの発現も増加させる)で、報告されている。そこでPTHrPトランスジェニックマウスが作成できる前に、PTHrP産生腫瘍を用いて、肝の形態形成や病態生理における作用を検討したところ、腫瘍移植4ヶ月目に軽度の肝の線維化と脂肪化を認めると共に、一部のラットに肝癌の発生を認めた。一方、前癌病変であるGST-P fociが腫瘍移植3ヶ月目より全ラットの肝において明らかに出現し始めた(未発表データ)。さらに我々はPTHrPが腫瘍血管新生作用のあることを血管内皮細胞を用いた培養系にて証明したので(第一回心血管内分泌代謝学会 横浜1997)、血管新生という観点からも肝の再生、硬変化、癌化の解明を行って行きたい。
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