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1998 年度 実績報告書

内視鏡下レーザー光を用いた腫瘍性病変およびdysplasiaの新しい識別法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09670574
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

岩男 泰  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40168547)

研究分担者 真壁 利明  慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60095651)
日比 紀文  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50129623)
熊井 浩一郎  慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30101984)
キーワードレーザー / 自然蛍光 / 大腸癌
研究概要

本研究は肉眼的には識別困難な平坦型早期大腸癌や、炎症を母地として発生した癌の発見を目的としている。本年度までに内視鏡観察下にレーザーを照射して得られる励起光を解析し、細胞構造の変化を蛍光スペクトルとしてとえようとする試みを行ってきた。内視鏡観察下に使用可能なレーザースキャニング装置としてオリンパス社製LIFE-Lungを用いた。内視鏡観察下に442nmのHe-Cb laser光を消化管粘膜に照射し、生体内の自家蛍光物質を励起し、ファイバースコープに装着した高感度カメラにより緑と赤の波長領域の自家蛍光を検出・増幅し、コンピューター解析後モニター上に映し出す方式を採用することで内視鏡観察と励起光の解析がリアルタイムで可能となった。モニター上では正常組織は緑色調で観察され、癌組織は全例が緑が弱い赤みがかった色(暗赤色)として認識されることえを示してきた。また、腺腫と過形成部において蛍光スペクトラム波長に差異があることも示唆されたが、非癌部でも粘膜の肥厚を伴えば自家蛍光の透過性低下によって暗赤色を呈し鑑別が困難であった。この現象は自家蛍光を利用する方法の限界と考えられ、より感度を上げるためには、フォトフィリンやヘマトボルフェリン等の光感受性物質を粘膜に効果的に接触・反応させる方法の開発が必要である。
我々の研究グループは既に別途に超高周波(Very high frequency;VHF)を用いることにより、任意のガス分子(含微粒子)を原料とする高密度低温プラズマを生成する技術の開発に成功している。この技術を用いればプラズマ生成時に生じるエネルギーの熱変換を極力抑えることができるため、プラズマ生成を生体内で行っても組織の熱破壊を防ぐことが可能である。今後内視鏡下に生体内で利用可能な、径1mm以下のflexible multi-task型マイクロプラズマ生成装置の開発を予定している。さらに、既知の光感受性の物質のうちプラズマ化することでその活性が増強される物質スクリーニングを行う。これらの物質をVHF低温プラズマの低電圧維持特性を生かして組織の表層に接触させ、異型を伴う粘膜により効率的にプラズマとして反応させることにより、細胞構造やエネルギー代謝の変化をとらえ得る高感度の蛍光解析を可能にしたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Yajima T,Iwao Y,et al: "Predicitive Factors of Response to Leukocytapheresis Therapy for Ulcerative Colitis." Therapeutic Apheresis. 2(2). 115-119 (1998)

  • [文献書誌] Watanabe M,Iwao Y,et al: "Interleukin 7 transgenic mice develop chronic colitis with decreased interleukin 7 protein accumulation in the colonic mucosa." J Exp Med. 187(3). 389-402 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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