研究概要 |
前年度の検討の結果、ランゲルハンス島のCCKは胎生期には認められず、出生21日目頃(離乳期)から成熟期にかけて発現したことから、ランゲルハンス島のCCK発現は発生学的に調節され、離乳時期がCCKの調節に重要であることが推測された。本年度はランゲルハンス島に発現するCCKの生理学的意義を検討するため,遊離ランゲルハンス島の潅流実験を行った.ラットの膵をコラゲナーゼ処理し,Ficoll gradient法によりランゲルハンスを分離し採取した後,24時間培溶液中に静置した.その後,Perifusion systemを用いて種々の濃度のグルコース,Forskolin,A23187添加時における潅流液中のインスリン,CCK濃度を測定した.これらの刺激によりインスリン濃度は用量依存性に増加したが,CCKはいずれの刺激によっても測定感度以下であった.以上のことから,CCKはインスリンと同様にランゲルハンス島のB細胞に局在するが,その分泌のメカニズムは両者で異なることが確認された.
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