研究分担者 |
小寺 浩 愛知医科大学, 医学部, 助手 (50298593)
小長谷 敏浩 愛知医科大学, 医学部, 助手 (60298594)
満間 照典 愛知医科大学, 医学部, 教授 (00111857)
山口 力 愛知医科大学, 医学部, 助手 (70288538)
森 省三郎 愛知医科大学, 医学部, 助手 (70257707)
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研究概要 |
1.各種ストレスあるいはストレス関連ペプチドがラット胃機能に及ぼす影響 (1)ラットの胃体部に圧モニターを装着し、テレメーター装置を使用し安静時、ストレス負荷時{水浸拘束ストレス(WIS),水回避ストレス(WAS),ラップ拘束ストレス(WRS)}およびTRH-analog(RX77367)100ng/10μl大槽内投与の胃収縮波形を記録した.その結果,全てのストレス負荷で強収縮がみられたが,正常下限周波数(4cpm)の棘波群がみられたWAS,WRSでは粘膜傷害はなかった.一方1〜2cpmの持続時間の長い巨大波が観察されたWISでは粘膜傷害がみられ,この波形は粘膜傷害を誘発したTRH-analog中枢投与のそれと類似していたことから,この収縮パターンが粘膜傷害に関与することが推定された. (2)ウレタン麻酔下,胃内潅流モデルで新しい食欲増進ペプチドであるorexin-A(0.3-3nmol)を大槽内に投与し酸分泌量を摘定したが,酸分泌増加程度に個体差が大きく,既報の意識下の幽門結紮法のように安定した結果は得られなかった.軽度の酸分泌は壊死物質による胃粘膜傷害に抑制的に働くことを報告しているので,orexin-A(30nmol)にも同作用が存在するか検討中である. (3)各種ストレス負荷時に胃液中に増加し粘膜傷害ペプチドの一つであるTRHが,生理的濃度(0.lnM)でラットの胃前庭部,及び体部両方のsomatostatin分泌をTRH受容体(サブタイプ1)を介して抑制することが明らかとなった.この成績は平成12年5月の米国消化器病学会に受理された. 2.Helicobacter pylori(HP)感染のいかなる要因が粘膜傷害の差異を規定しうるかの検討 (1)感染実験の作成:マウスでSydney系HPを数回接種した.定着するHP菌量が一定せず中断した. (2)HPによって産生されるアンモニア長期投与によってラットソマトスタチン(D)細胞の減少と受容体の抵抗性,および門脈血ガストリンが上昇することを米国のGastrin研究会(平成11年11月)で発表した.
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