研究課題/領域番号 |
09670590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
川畑 正博 財団法人 癌研究会, 癌研究所・生化学部, 主任研究員 (60224838)
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研究分担者 |
花井 順一 財団法人 癌研究会, 癌研究所・生化学部, 研究員 (70261964)
加藤 光保 財団法人 癌研究会, 癌研究所・生化学部, 研究員 (20194855)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | TGF-β / DPC4 / Smad / 大腸癌 / ショウジョウバエ |
研究概要 |
(1) ショウジョウバエの新規SmadであるMedeaおよびdSmad2を同定した。これらのSmadの機能を生化学的に解析することにより、Smadによるシグナル伝達はショウジョウバエと哺乳類との間で保存されていることを明らかにした。 (2) Smad2およびSmad3はTGF-β刺激の無い状態では単量体として存在し、TGF-βレセプターによりリン酸化されるとホモ多量体およびSmad4とのへテロ複合体を形成した。Smad3のホモ多量体およびSmad3-Smad4のへテロ多量体のいずれもDNAへの結合能を示した。 (3) Smad2およびSmad3はTGF-βの刺激に応じて転写コアクチベーターであるp300と結合した。p300はTGF-βによるレポーターの活性化を促進した。一方、p300と結合するアデノウイルス蛋白であるE1AはTGF-βの転写活性化を阻害した。以上よりTGF-βによる転写活性化にはp300(あるいはCBP)が必要であると考えられた。 (4) 大腸癌で見出されているSmad2の変異をSmad3に導入した。変異型Smad3はレセプターに強固に結合し、野生型のSmad2あるいはSmad3のリン酸化を阻害し、TGF-βによる転写活性化およびHaCat細胞の増殖抑制を抑制した。以上より、この変異は、単にSmadの機能を喪失させるのみならず、dominant-negativeな作用により、発癌に積極的に寄与している可能性が示唆された。 (5) RER-negativeのHNPCCにおいてもTGF-βII型レセプターのgermline mutationを見出し、TGF-βが大腸癌発生に抑制的に作用していることをより一般的に示した。
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