研究概要 |
1)RNA-Protein binding assay;Gel mobility shift assayを用い、ActinをコントロールとしてTS mRNAと蛋白質の結合力を検索した。前年度までの研究ではヒトTS蛋白自身がTS mRNAとの結合力が最も強く、葉酸代謝拮抗物質のZD1964、やZD9553に強い結合力が認められた。本年度は5-FU,DFUR,tomudex等のTS抑制型抗癌剤とTS mRNAの結合力を検討した。しかしこれらの抗癌剤ではTSmRNAとの結合は認められなかった。2)In vitro translation ;ZD1694、ZD9553はIn vitro translationにて TS発現力を強く抑制した。時間的検討では1時間、4時間、12時間、24時間接触を試みた。12時間接触でZD1694が最もTS発現を抑制した。3)MTT assay; ヒト大腸癌細胞株SNUC-4を用いZD1694,ZD9553のIC10の濃度で5-FUの抗腫瘍効果の増強を検討した。ZD9553併用24時間接触で12倍,ZD1694併用では3倍の抗腫瘍効果の増強を認めた。4)TS activity assay,TS biding assay5-FUとZD1694,ZD9553併用12時間接触にてTS抑制率を検討した。総TS量は増加せず。TS抑制率は70%まで低下した。よってこれらのBCMの機序はTS増加の抑制と考えた。
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