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1998 年度 実績報告書

風邪誘発気管支喘息の病態と治療法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670594
研究機関東北大学

研究代表者

山谷 睦雄  東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60261640)

キーワードライノウイルス / サイトカイン / LDL受容体 / 気道上皮 / 気道透過性 / 気管支喘息
研究概要

1) ライノウイルスの大部分は接着分子ICAM-1を受容体とするが、ICAM-1を介さない感染経路を持つminor groupのライノウイルスの受容体を検索した。2型ライノウイルスはヒト剖検気管上皮細胞に感染して培養液中にライノウイルスを放出した。また、IL-1β、IL-6、IL-8、TNF-αの合成を亢進した。抗LDL受容体抗体を培養上皮細胞に作用させると2型ライノウイルスの感染が抑制され、培養液ライノウイルス、サイトカインが減少した。2型ライノウイルス感染は気道上皮細胞のLDL受容体合成を促進した。minor groupライノウイルスが気道上皮細胞のLDL受容体を介して感染する経路が明らかになった。ライノウイルス感染によるLDL受容体合成亢進はライノウイルス反復感染の1つの原因になると推測された。
2) 気道上皮透過性亢進は気管支喘息の主要な病態であり、ライノウイルス感染の作用を調べた。培養ヒト気管上皮細胞の透過性を電気生理および^3Hマンニトール通過量で調べた。気道上皮透過性は活性酸素の1つである過酸化水素で亢進するが、ライノウイルス感染によってこの作用が増加した。また、IL-1βでICAM-1を増やしてライノウイルスを感染させ同様の実験を行うと、透過性が更に亢進した。これらの結果より、ライノウイルス感染は気道上皮細胞のバリヤー機能を低下させる作用のあることが明らかになった。昨年度は治療方法を中心にグルココルチコイドとエリスロマイシンのライノウイルス感染抑制作用を明らかにし、本年度は気管支喘息の発症、増悪における病態を研究した。今後とも風邪誘発気管支喘息の病態と治療法について研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yamaya, M.et al.: "Exhaled carbon monoxide levels during treatment of acute asthma" Eur.Respir.J.印刷中.

  • [文献書誌] Ohrui, T.et al.: "Effect of rhinovirus infection on hydrogen peroxide-induced alteration of barrier function in the cultured human traceal epitelium." Am.J.Respir.Crit.Care.Med.158. 241-248 (1998)

  • [文献書誌] Yamaya, M.et al.: "Increased carbon monoxide in exhaled air of subjects with upper respiratory tract infections." Am.J.Respir.Crit.Care.Med.158. 311-314 (1998)

  • [文献書誌] Yamaya, M.et al.: "Infection of human respiratory submucosal gland cells with rhinovirus-characterization of cytokine release and ICAM-1 induction." Am.J.Physiol.印刷中.

  • [文献書誌] 山谷 睦雄: "呼吸器ウイルス感染症の病態と治療" 呼吸. 17. 1124-1136 (1998)

  • [文献書誌] 山谷 睦雄 他: "ウイルス感染によるアレルギー性炎症の修飾" アレルギー科. 5. 532-538 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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