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1997 年度 実績報告書

アスペルギルスの気道内定着および周囲組織への侵入の機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670609
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

網谷 良一  京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (70167964)

研究分担者 田中 栄作  京都大学, 胸部疾患研究所, 講師 (30183461)
キーワードアスペルギルス / Aspergillus fumigatus / 気管支粘膜 / 気道上皮傷害 / 細胞内取り込み / endocytosis / オ-ガン・カルチャー / 超微形態
研究概要

ヒト気管支粘膜上でのAspergillus fumigatus分生子の定着、発芽および菌糸増生、さらには気道線毛上皮傷害と気管支粘膜への菌体の侵入に至る機序をヒト気管支粘膜の"Organ culture"法を用いて超微形態学(走査型および透過型電顕)的に検討を行った。その結果、A.fumigatus分生子は"Organ culture"に添加して1〜6時間後に、傷害された上皮細胞を中心に付着し、以後徐々に上皮傷害を拡大増強していった。また上皮傷害と並行して、6時間目前後に分生子が上皮細胞の間隙並びに線毛細胞内に侵入する(または取り込まれる)所見が認められた。18時間以降では、増生した菌糸が上皮細胞を貫いてまたは上皮細胞間隙を縫って気管支粘膜下組織へ伸び、同時に線毛細胞の著しい剥離脱落を呈する所見を認めた。以上の検討によってアスペルギルスのヒト気管支粘膜上皮への侵入機序として、上皮細胞間隙への侵入の他に、線毛細胞内への侵入(または取り込み)ともそれに引き続く細胞外への増生の、少なくとも2通りの機序が示唆された。以上は国内外を問わずこれまでに報告の無い新たな知見であり、平成10年4月の日本呼吸器学会総会および日本感染症学会総会で報告する予定である。また英文の原著論文として現在投稿を準備中である。
寒天ビーズを用いた経過の暖徐なマウス肺アスペルギルス症モデルによるアスペルギルスの増殖形態とそれに伴う気道上皮傷害、気道周囲肺組織への進展の様式の検討は現在も継続中である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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