研究課題/領域番号 |
09670618
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
相澤 久道 九州大学, 医学部, 助教授 (90175711)
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研究分担者 |
吉田 誠 九州大学, 医学部, 医員
井上 博雅 九州大学, 医学部, 助手 (30264039)
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キーワード | 気管支喘息 / 気道炎症 / 気道過敏性 / NO / ピークフロー / 誘発喀痰 / 好酸球 / 吸入ステロイド |
研究概要 |
喘息の重症度と気道炎症の程度が相関することは数多くの報告で示されている。したがって、喘息の診療においては、気道炎症を的確に評価することが、診断及び経過観察の上からも重要である。臨床的に気道炎症を評価するには、喀痰・気道生検・気管支肺胞洗浄などの方法があるが、これらの方法は必ずしも検体が得られない、侵襲的であるなどの問題があり、日常臨床においては実用的なものではない。また、ピークフロー(PEF)のモニターは間接的に気道炎症を反映し喘息の重症度をよく表すことが知られている。しかし、これは連続的に一定期間測定することが必要であり、一回の測定によりその場で気道炎症を推測し重症度を評価できる検査があれば喘息診療に有用である。そこで、まず誘発喀痰中の好酸球数を気道炎症の指標とし、呼気中NO、スパイログラム、パ-シャルフローボリュウム(PEFV)、気道過敏性、PEFが炎症の評価に有用かどうかを検討した。次に、PEFの変化を喘息症状の客観的な変化の指標とし、誘発喀痰中好酸球、呼気中NO、スパイログラム、パ-シャルフローボリュウム(PEFV)、気道過敏性のいずれが患者の予後を推測する上で有用かを検討した。その結果、呼気中NO、気道過敏性、PEFと誘発喀痰中好酸球の間には有意な相関がみられた。また、気道過敏性、呼気中NO、PEF日内変動はその後のPEF値の変化と有意に相関した。これらの成績は、呼気中NO、気道過敏性、PEFは気道炎症の指標となりうることを示している。また、呼気中NO、気道過敏性、PEFはその後の喘息症状の変動の予測の指標となりうると考えられた。さらに、吸入ステロイド薬による気道炎症の治療効果を検討したところ、PEFの有意な上昇とともに呼気中NO、誘発喀痰中好酸球の有意な低下、気道過敏性の有意な低下がみられた。
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