研究課題/領域番号 |
09670628
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
山口 佳寿博 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30129712)
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研究分担者 |
猶木 克彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40265806)
佐藤 長人 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20265797)
西尾 和三 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10255458)
鈴木 浩一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40245486)
青木 琢也 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70255438)
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キーワード | Permissive hypercapnia / 細葉 / 細動脈 / 細静脈 / 毛細血管 / COX / NOS |
研究概要 |
21%酸素環境下で飼育した正常肺を有する対照群(N群)と高濃度酸素環境下で飼育した損傷肺を有する群(H群)において還流肺を作成しPermissive hypercapnia(PHC)を模した呼吸性アシドーシス(21%O_2,15%CO_2,背景ガスN_2)を負荷した場合の肺小葉内微小血管動態を共焦点レーザー顕微鏡を用いて観察した。微小血管構築把握のためにFITC-dextranを、肺微小循境中の血球動態を観察するためにFITC染色赤血球を還流液中に添加した。呼吸性アシドーシスの血管収縮・拡張に及ぼす血管作動性物質、プロスタグランジンならびに一酸化窒素(NO)の関与を明らかにする目的でシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤インドメサシン(Ind)あるいはNO合成酵素阻害剤であるL-NAMEを加えた。【結果】1)N群では呼吸性アシドーシス負荷によって細静脈拡張が観察されたがInd共存下で消失した。細動脈、毛細血管径には有意な変化を認めなかった。2)N群に較べH群では、平均肺動脈圧の上昇率が大きく、N群で認められた細静脈拡張の減弱が観察された。3)興味深いことにL-NAMEはH群の細静脈拡張を回復させると同時に還流液中のPGI_2濃度を上昇させた。これらの奇異現象はInd共存下で抑制された。以上の観察結果より、高濃度酸素暴露損傷肺では呼吸性アシドーシスに対する感受性が増加し、これには細静脈のCO_2に起因する血管拡張反応の鈍麻が関与するものと考えられた。また、L-NAMEにはCOX刺激作用と言う従来報告されていない作用が存在することが明らかとなった。
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