研究課題/領域番号 |
09670628
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
山口 佳寿博 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30129712)
|
研究分担者 |
西尾 和三 北里研究所病院, 内科, 医員 (10255458)
佐藤 長人 国立循環器病センター, 内科, 医員 (20265797)
猶木 克彦 慶應義塾大学, 医学部・内科, 助手 (40265806)
|
キーワード | 構造型NOS / 誘導型NOS / 構造型ミクオロキシゲナーゼ / 誘導型ミクロオキシゲナーゼ / 高濃度酸素暴露損傷肺 / 肺細某 |
研究概要 |
21%酸素環境下で飼育した対照群(N群)と高濃度酸素環境下で48時間飼育した損傷肺を有する群(H群)において肺組織より抽出した。その検体を用いて肺組織中のecNOS、iNOS、COX-1、COX-2の蛋白量を各酵素に対するmonoclonal抗体を用いてウェスタン・ブロット法によって定量・測定した。N群にあっては、ecNOS、COX-1の蛋白発現を認めたがiNOS、COX-2の発現はウェスタン・ブロット法を用いる限り検出できなかった。H群にあっては、ecNOSの発現がN群の3.8倍に上昇したがiNOSの発現増加は認められなかった。H群においては、COX-1の発現も増加していたが、COX-2の発現増加は認められなかった。これらの結果より、高濃度酸素暴露は構造型のecNOSならびにCOX-1の発現増加を惹起するが誘導型酵素であるiNOS、COX-2の発現を増加させないことが判明した。この肺組織における血管作動性物質合成酵素の動態は、平成9年度、10年度において各酵素に対する阻害剤を用いて観察した肺微小循環動態と質的に一致するものであった。平成11年度には上述した各血管作動性物質合成酵素の肺組織における蛋白発現の測定に加え、共焦点レーザー顕微鏡を用いてisocapnic acidosisの肺微小環動態に及ぼす影響を検討した。N群においてはisocapnic acidosisは細動脈、細静脈、毛細血管に対して如何なる影響も及ぼさなかった。しかしながら、H群においては、インドメサシン存在下でisocapnic acidosisは細静脈を有意に収縮させた。この結果はhypercapnic acidosisにおける結果と質的に異なるものであった。
|