1. in situ hybridization 本年度は、胎児及び新生児ratにMJD-1 radioactive cRNA probeを用い、in situhybridizationを適用する際凍結切片を用いたが、有効なシグナルが得られなかった。 2. Genotype-phenotype correlation Machado-Joseph病(MJD)症例の病理学的所見とCAG repeatの長さとの関係について、本年は新たに2剖検例を加え、8例につき検討した。症例番号、死亡時年齢・性、MJDl遺伝子の正常及び異常alleleのCAG repeat数は、以下の通り:#1、77歳男、23/64;#2、78歳女、21/69;#3、44歳男、25/75;#4、62歳女、14/76;#5、46歳男、29/77;#6、49歳男、14/77;#7、44歳男、23/79;#8、32歳男、19/79。これらの症例に対し、免疫組織学的に抗ubiquitin抗体で全切片を染色し、核内封入体の有無を検討した。また、抗α-B-crystallin抗体で陽性に認識されるオリゴデンドログリアの密度を、視床下核で、コンピューター画像解析装置を用いて検討した。核内封入体は、橋核に限局して極少量出現し、CAG repeat数との相関は認められなかった。 また、抗α-B-crystallin抗体陽性オリゴデンドログリアの密度は、視床下核で明らか に増加が認められ、年齢で除した場合、CAG repeat数と相関する傾向を認めた。 これは、Huntington病の尾状核の神経細胞減少と同様の傾向をとっており、CAG repeat病の本質の可能性がある。今後さらに、淡蒼球内節・橋底部尾側等の、変性必発部位に対し、検討を加えていく予定である。
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