研究概要 |
重症筋無力症(MG)でのblocking抗体のエピトープはAChR185-196が報告されている.このエピトープに対するcomplementary peptide感作により得られる抗体が,blocking抗体を認識するかどうか検討した.対象としてMG18例(43±11才)と正常対照20例(51±9.2).ラットにAChR185-196に対するcomplementary peptide,RhCA691-581を感作し,Ag8.653とのfusionにて、RhCA691-581に対するモノクロナール抗体(Rhe)を得た.96穴ELISAプレートに10μg/mlのRhEをcoatingし,100倍希釈からの患者血清および正常血清を反応させ,基準血清の吸光度値に対する希釈倍率をもって,そのサンプルの抗体値とした.正常対照群の平均値は,114±39であった.平均値±2SD値を正常上限として検討するとMG群では平均242±102.2で陽性率は18例中9例(50%)であった. さらにモノクロナール抗体RhE(IgG1,kappa)をRT-PCR法により,cDNAを取り出し,pGEMベクターに組み込み,cycle sequencingにより,heavy chainおよびlight chainの全塩基配列の解読に成功した.今後この塩基配列よりrecombinant蛋白を精製し,さらにヒトでのblocking抗体を解析する予定である.
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