研究概要 |
重症筋無力症患者(MG)のblocking抗体のエピトープに対するコンプリメンタリーペプチドをラットに感作することによって得た抗体(RhE,IgG2a,kappa)が、anti-idiotype抗体として患者血清でのiditype抗体を認識を示すことをすでに報告した。この抗体の臨床応用を目的として、そのDNA解析とその結果に基づくrecombinant蛋白の作成を本年度の行った.RT-PCR法により、RhEのheavy chainおよびlight chainのvariable region部の増幅を行い、pGEM vectorに組み込み、DNAの解析を行った。得られた塩基配列より、variable region部のDNAをPinPoint Xa-1 vectorに組み込み、recombinant蛋白の作成を行った。 DNA解析より、RhEのheavy chain variable region部のCDR3部が、idiotype抗体の認識に深く関わっていることが確認された。 さらに抗体産生に関係するT細胞によるヘルパー機能が,そのエピトープに対するコンプリメンタリーペプチドの感作により生じた抗体が,抗T細胞レセプターのβ領域を認識し,その増殖を抑制し,抗体産生をブロックする.この機序に関して,このブロックが,IL-2の投与により,部分的に回復することより,T細胞アネルギーであることを証明した. 本研究の臨床応用を進めるために,現在既に開発した2つのタイプの抗コンプリメンタリーペプチド抗体であるTCM240とRhE抗体を使い,reverse phase IEF法を応用し,より簡便なMGにおける自己抗体の検出方法を開発中である.
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