平成9年度にはデジタイザーを用いて筆圧ペンでの筆圧データー値の特性を測定し、筆圧データをコンピューターで表示するプログラムを作り、デジタイザーから筆圧データ値が表示されるようにするための基礎的検討をした.その結果は、入力筆圧と出力筆圧の関係は筆圧の感触を調節するように、段階づけでの設定が可能であり、その関係を変換するように設定が可能であり、その際の書字も記録が可能であることであった.しかしながらその際の筆圧を連続的に記録することが不可能であり、入力と出力の関係からみた書字の筆圧の絶対値と書字の様相の連続記録を可能とするプログラムが必要であり、その結果が先に待たれることとなった. そこで平成10年度では健常者での筆圧の巧みな調節可能であることのダブレットドライバーでの筆圧値の観察からの証明を明らかにし、失調患者でのその巧緻性の喪失の予測から、入力時の筆圧が絶対値で大きく変化することの予想を筆圧連続観察記録装置の開発する必要性を認識して、その実現によって運動失調症の各種疾患での比較検討と経過追及を目指したがへいせい10年度内ではそのプログラム作りが未だ間に合わないことが明らかとなった. そこで平成10年度は柳本真市らの協力を得て、上肢機能の評価をビジュアルC_<++>から開発されたイメージスキャナーによって、被験者の線分および円図形を追跡描画してパソコン記憶装置にとりこみ、原図形からの被験者が追跡した偏位を処理した.その結果、脊髄小脳変性症では正常対照に比して3-7倍の増加がみられ、とくに線分試験での終末偏位が著明に増加していた.
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