研究課題/領域番号 |
09670667
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
白井 俊孝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80196592)
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研究分担者 |
村松 和浩 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20230005)
小原 克之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40169363)
天野 隆弘 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (90118901)
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キーワード | Nitric oxide(NO) / 脳循環自動調節 / 脳血管口径 / 脳血液含量(CBV) / 脳軟膜血管 / NOセンサー / Vasomotor Index / eNOS |
研究概要 |
これまでの我々の検討では、神経性調節の関与にもかかわらず、各種神経遮断を施行しても自動調節は完全に消失していない。本研究では、NOの関与に着目して、ビデオカメラ法による猫脳軟膜血管口径変化の連続記録法に加え、脳血液含量(CBV)の同時連続記録は特性のPhotodiodeで作成した装置を用い、科学研究費を用いて購入したポリグラフ(NEC三栄)で増幅後、多ペンレコーダーで連続記録を行った。科学研究費により購入したNOセンサー(World Precision Instruments)を用い、脳室内及び脳実質内NO産生変化の計測を行った。脳循環自動調節における内皮由来のNOとEndothelium derived hyperpolarizing factor(EDHF)の関与につき検討するため、NO合成阻害薬としてδ-(S-methylisothioureido)-L-norvaline(L-MIN)又はN^G-iminoethyl-L-ornithine(L-NIO)を舌動脈より投与し、内皮依存性過分極阻害薬としてTetraethyl ammonium(TEA)を脳表へ投与した。またL-arginineを必要に応じて大腿静脈より投与した。以上の実験システムにおいて、血液の脱血、再注入を行って灌流血圧を変化させ、脳血管の反応性を"Vasomotor Index"により判定した。L-NIO投与後10分、60分において血管反応性の減弱が観察され、この変化は、L-arginine追加投与により回復する傾向が認められた。内皮系NOとEDHFの両者の関与については一定した見解が得られていないが、今回の研究では、内皮系NO(eNOS系)が脳循環自動調節に関与していることを示唆する所見が得られた。脳血管障害急性期を初めとした病態の解明と治療法への発展を期待し、本研究による脳循環自動調節の解明を引き続き行う予定である。
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