研究課題/領域番号 |
09670669
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
園生 雅弘 帝京大学, 医学部, 講師 (40231386)
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研究分担者 |
望月 温子 帝京大学, 医学部, 助手 (50286994)
福田 博之 帝京大学, 医学部, 助手 (60286961)
所澤 安展 帝京大学, 医学部, 助手 (30256052)
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キーワード | 体性感覚誘発電位 / 正中神経 / 脳死 / 脳死判定基準 / N18電位 / P13 / 14電位 / 聴性脳幹反応 / 延髄楔状束核 |
研究概要 |
本年度においては、所澤・園生らを中心に約50名の脳死もしくは昏睡患者のSEP・ABR・臨床症候のデータを得た。また5名の患者において脳死前後の移行をとらえることにも成功した。これらのデータから、SEPのN18が脳死判定において最も特異性/感受性ともすぐれていること、P13/14は脳死患者においてもしばしば残存すること、ABRは脳死に未だ至らない患者においてもしばしば脳死同様のパターンを呈することなどの結果を得た。脳死移行を捉えた患者においては、N18の消失は自発呼吸の消失とほぼ時期を同じくして起こることが多い印象が得られた。以上より、N18が、脳死判定の補助的パラメーターとして、非常に有望であることが示唆された。これらの結果は雑誌Neurologyのclinical noteとして現在投稿中である。今後は特に昏睡から脳死への移行患者における臨床症状と電気生理学的所見の推移に重点を置きながら、さらに患者データ収集を進めていく予定である。また、望月・園生は正常者約10名についてSEPの早期成分についての体表分布を詳細に検討した結果、P9の起源について新たな知見を得、その結果を雑誌Electroencephalography and clinical Neurophysiologyに投稿、受理された。園生は数名の頚髄や延髄に病変を有する患者のSEPの検討を元に、P13/14の起源についての新たな仮説を提唱した。これについては現在投稿準備中である。97年8月のフィレンツェでの国際脳波臨床神経生理学会において、園生はP13/14を中心とするSEP成分の起源についてのそれまでの成果発表を、所澤が脳死患者の所見についての中間報告を行った。
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