研究課題/領域番号 |
09670674
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
太田 宏平 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00152132)
|
研究分担者 |
清水 優子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20246507)
|
キーワード | myelin basic protein / anti-ergotypic T cell / anti clouotypic T cell / multiple sclerosis / immune vegulation |
研究概要 |
活性化したMBP特異的T細胞に反応するT細胞株 ヒトにおける免疫調節機構の解析のため健常人末梢血からmajor myelin proteinの一つであるmyelin basic protein(MBP)のminor epitope(MBP35-55)に対する抗原特異的T細胞株(F5)を確立し、次に同一対象から活性化したF5を抗原としてこれに反応するT細胞株の樹立を試みた。F5に反応するT細胞株は効率よく得られ、全培養ウエルでF5に対する何らかの反応を認めた。長期培養を継続したT細胞株の膜表面抗原はCD3+、CD4-、CD8+、δ1-、HLA-DR±であり、これまでin vitro stimulationによる抗原特異的T細胞株の樹立方法ではほとんど認めることのない膜表面抗原を有していた。抗F5T細胞株の自己のfeeder細胞、MBP抗原、休止期のF5やMBPで刺激後のF5に対する反応性を検討すると、活性化した他のT細胞にのみ反応を示した。このように活性化した自己特異的細胞に対する反応(抗クロノタイプT細胞、または抗エルゴタイプ反応)などよって仲立ちされる調節性のネットワークの存在が示唆された。 ついで我々は脳炎惹起epitopeであるmyelin oligodendrocyte glycoprotein(MOG)35-55とMBP84-102特異的T細胞株の樹立を試みた。ヒトにおいてもこれらのT細胞株の頻度は高く、また、minor proteinであるMOG35-55特異的T細胞株の頻度はMBP84-102特異的T細胞株の約50%であった。今後、このような脳炎惹起epitope特異的T細胞に対する調節性T細胞の検討の予定である。
|