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1998 年度 実績報告書

炎症性脱髄疾患における調節性T細胞の意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670674
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

太田 宏平  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00152132)

研究分担者 秋山 尚子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (00256588)
清水 優子  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20246507)
キーワードmultiple sclerosis / immune regulation / T helper 1 cell / T helper 2 cell / immuno adosorbent therapy / Mac-1 / L-selectin
研究概要

1) 免疫調節性サイトカインの検討
多発性硬化症(MS)の動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)では、IFN-γを分泌するミエリン抗原特異的Th1細胞が脳炎を惹起するが、回復期ではEAE惹起性Th1細胞に対して抑制的に働くIL-4分泌Th2細胞の役割が検討され、EAEの発症や治癒機転に深く関与していると考えられている。MSの病態にもTh1.Th2細胞間の制御機構が重要な役割を担っていることが推察されるが、この検討はいまだ充分ではない。そこで本研究ではMS患者でのサイトカイン(IFN-γ、IL-4)陽性T細胞をフローサイトメトリーで測定し、MSにおけるTh1細胞とTh2細胞の意義について検討した。その結果、MS患者(n=9)のIFN-γ陽性CD4細胞は16.2±2.4%、IL4陽性CD4細胞は1.9±0.4%、INF-γ陽性CD4細胞/IL4陽性CD4細胞(比)は13.5±3.1を示したが、健常対象と比較して有意差はなかった。しかし、まだ少数例での検討であるがステロイド治療例では治療後にIF-γ陽性CD4細胞の減少、INF-γ陽性CD4細胞/IL4陽性CD4細胞(比)の上昇を示す例認詔められた。MS患者においても、再発時にTh1細胞優位となり、寛解期、免疫学的治療後には逆にTh2細胞優位となり、その病勢によりTh1、Th2細胞の制御機構が変化していることが予想され、今後、症例数を増やし検討する予定である。
2) 免疫吸着療法における白血球接着分子
炎症性脱髄性疾患で広く効果を認める免疫吸着療法(IAT)における細胞性免疫調節機構解明のため末悄性脱髄性疾患の末悄血白簡球の接着分子の動態を検討した。IATにより多形核白血球のCD11bは著明に増加、CD62Lは減少を示し、また、T細胞を含む単核球のCD11b.CD62L発現は軽度に増加を示した、これは生体内で分布変化を伴う活性化した多形核白血球や単核球の出現を意味し、IATにより多様な免疫系の修飾が惹起されることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 太田宏平: "免疫吸着法における白血球の活性化" 神経免疫学. 6・2. 47-53 (1998)

  • [文献書誌] 太田宏平: "免疫吸着療法における白血球L-selectinとMac-1の変動" 日本免疫学会総会・学術集会記録. 28. 264 (1998)

  • [文献書誌] 清水優子: "多発性硬化症の末梢血IL-2反応性CD56^+γ8T細胞の変化について" 日本免疫学会総会学術集会記録. 28. 135 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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