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1999 年度 実績報告書

炎症性脱髄疾患における調節性T細胞の意義に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09670674
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

太田 宏平  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (00152132)

研究分担者 秋山 尚子  東京女子医大, 医学部, 助手 (00256588)
清水 優子  東京女子医大, 医学部, 助手 (20246507)
キーワードmultiple sclerosis / immune regulation / NKT cell / leulcocyte activation / immunoadsorbent therapy / chronic inflammatory demyelirating polyneuropathy
研究概要

1)免疫性神経疾患におけるVα24+細胞
Vα24+NKT細胞はIFN-γやIL-4を産生し調節性機能を有していると考えられている。この研究では多発性硬化症などの免疫性神経疾患でこのVα24+細胞の頻度を測定しその意義について検討した。健常成人(n=10)のVα24+細胞の陽性率は0.43+-0.21%であった。同様に患者群のVα24+細胞の陽性率はそれぞれ、多発性硬化症(N=25)で0.40±0.24%、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(n=9)は0.30±0.28%、ギラン・バレー症候群(n=5)は0.30±0.16%、重症筋無力症(n=6)は0.30±0.15%、神経障害を伴う膠原病(n=8)は0.31±0.16%、サルコイドーシス(n=4)は0.43±0.21%で有意差は認めなかった。さらにHTLV-1関連脊髄症2例や傍腫瘍性症候群2例のVα24+細胞の陽性率はそれぞれ0.7と0.4%と1.6と0.5%であった。この研究では免疫性神経疾患のVα24+細胞の有意な変化は認めなっかったが、元来、陽性率の非常に少ない細胞であり、測定による誤差が大きいことが問題点としてあげられ、今後、抗Vα24抗体と抗Vβ11抗体による多重染色の解析や対象の病期や治療による影響などを考慮した解析が必要であると考えられた。
2)免疫吸着療法における多形核白血球の活性化
炎症性脱髄性疾患で広く効果を認める免疫吸着療法(IAT)における細胞性免疫調節機構解明のため末梢血白血球の接着分子の動態を昨年度に引き続き検討した。IATにより末梢性脱髄性疾患(n=6)の多形核白血球のCD11b陽性率はIAT前の85.2±14.9%からIAT終了時の93.9±4.2%へと有意(p=0.0302)に増加した。また、多形核白血球のCD62L陽性率はIAT前の73.3±15.8%からIAT終了時の43.7±17.1%へと有意(p=0.0155)に減少を示した。T細胞を含む単核球のCD11bの発現とCD62Lの発現はIAT前後ではほとんど変化を認めなかった。最近、多形核白血球とリンパ球間のdefinsinなどを介した相互作用が指摘され、活性化した多形核白血球がリンパ球の動員や抗原反応性などに影響することが推察されている。このIAT中の白血球の活性化も細胞性免疫の調節機構の一つである可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] K OTA et al: "Neutrophil activation in immunoadsorption"Therapeutic Apheresis. (in press). (2000)

  • [文献書誌] 清水優子 他: "免疫グロブリン大量療法を施行した慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー患者末梢血リンパ球サブセットの変化について"神経免疫学. 81. 132-133 (2000)

  • [文献書誌] 植田美加,太田宏平 他: "慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーに対するインターフェロン-α2a治療"臨床神経学. 40・2(印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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